NPO法人成年後見なのはなの活動

 

平成23年度(第6期)事業報告書

          (平成23年1月1日〜平成23年12月31日)

 

  NPO法人成年後見なのはなは、平成18年6月に設立し、今期は第6期として活動しました。

 過去5期の活動で培った基盤と後見人受任会員の充実により、活動地域は千葉市を中心にほぼ千葉県内全域に広がり、一部東京地区でも活動いたしました。

この結果、実績面では、法人としての法定後見受任件数が95件、財産管理・任意後見契約による受任件数が10件と前期に引き続き大幅に受任件数を増加させました。

これらのうち市長申立案件は、6市から17件(全体の約2割)を受任しました。

累計では、23年12月末時点で後見人等受任件数は160件(内市長申し立て案件28件)、財産管理・任意後見契約による受任件数は53件となりました。

普及活動面では、行政・各種団体や有料老人ホーム等からの依頼により成年後見制度や生活保護に関する講演を9回行いました。又、会員が対応した相談件数(受任に結びついたものを除く)は、112件にのぼりました。

これら活動を通して、関係機関や団体、介護施設、病院等との連携もより一層深まりました。

              主な活動実績の推移         (単位:件)

 

法定後見受任

法定後見終了

任意後見・財産管理契約受任

講演

回数

相談

件数

遺言・

相続

備考

第1期

13

28

 

第2期

11

46

13

 

第3期

12

19

 

第4期

20

10

64

12

 

第5期

71

17

18

83

 

第6期(今期)

95

30

10

112

 4

 

累 計

203

43

53

59

352

44

 

                         ※相談のみ

  会員の資質向上面では、今年度も業務研究会を毎月第2土曜日に公開で開催し、様々なテーマで学習しました。累計では52回となりました。

本法人の会員には、この業務研究会に何度か参加し、入会した方が多くいます。

 

  一方、組織体制面では、前期から相談、受任件数が急激に増加し、従来の組織では対応が困難となったことから、理事会の毎月開催を定例化したほか、3つの委員会(後見推進、監査、財産管理)のトップに理事を据え、具体的な活動に向けてスタートさせました。

又、事業方式、会計方式も見直し、法人としての体制を整えました。

今後、グループ制の導入、市民後見人の受け入れ等の検討を進め、実現させていくこととしております。

 

これらの活動の結果、会員の一丸となった取り組みもあり総収入は3586万円、損益は40万円(税引き前)の黒字を計上することができました。

 

  項目別状況は以下のとおりです。

 

T. 事業活動                               

1.      成年後見制度の普及のための啓蒙活動

(1)千葉県知的障がい者福祉協会が主催する「成年後見制度」に関する研修会のの講師を務めた。

    1月29日  650名

    事例を中心に成年後見制度に関する内容を講演した

(2)  千葉県社会福祉協議会主催の高齢者施設の職員対象の研修会に講師2名を派遣した。

 9月5日、9月12日  合計100名

(3)  各地からの依頼で講演を行った。(7回)

各地の地域包括支援センター、地区社会福祉協議会、有料老人ホーム等が主催する研修で成年後見制度に関するセミナーで講師を務めた。

又、障がい者の子を持つ親の会で成年後見制度に関する講演を行った。

 

 

2.      成年後見制度活用のための支援活動

(1)成年後見制度の利用等に関する相談に対応した。 (相談のみ112件)

   成年後見制度の仕組み、利用の方法、その他必要なアドバイス

(2)制度利用を必要としている方々の依頼により申立支援を38件行った。

(3)本法人として成年後見人を95件受任し、担当会員による後見活動を行った。

(4)被後見人の死亡により後見人を30件終了し、終了手続きを行った。

   その過半において、葬儀の主宰を務めお見送りした。

(5)移行型任意後見契約を10件締結し、当面財産管理、生活支援面から依頼者の意向に沿った支援を行った。

 

3.      高齢者や障害者の権利を擁護する活動

(1)本法人が受任した事案について、担当会員が後見人又は任意後見受任者として財産管理や身上監護を適切に行い、被後見人等の方々の権利を擁護し、又、安心して生活できるよう支援した。

(2)高齢者や障害者の財産管理、生活に関する相談に対応した。(上記2を含む)

相談内容:生活保護、財産管理、居住場所、親亡き後の子の面倒、遺言、相続

 

. その他、この法人の目的を達成するために必要な活動

(1)以下の機関・団体・法人等との連携を図りつつ活動した。

  @行政機関:千葉家庭裁判所、各市、福祉事務所、公証役場

  Aセンター:社会福祉協議会、地域包括支援センター、中核地域生活支援センター

  B医療機関:国立療養所、千葉県リハビリセンター他各地域の医療機関

  C介護施設:県内各地の老人保健施設、特別養護老人ホーム、グループホーム等

  D障害者施設:県内各地の障害者施設

  E有料老人ホーム:県内各地の有料老人ホーム

 

 

U. 法人内部の組織力の強化

1.組織規模の拡大に見合った体制への移行

(1)相談、受任件数の増大に伴い、以下のとおり体制を強化した。

@理事を増員し、理事会を毎月開催することにより、法人として迅速な意思決定を行った。

A後見推進委員会、業務監査委員会、財産管理委員会を具体的にスタートさせた。

B事業方式を改め、会員にとってもやりがいがある内容とした。

(2)増加する事務に対応するために「千葉みなと事務所」を開設した。(10月)

 

2.定例会の開催

(1)毎月1回第4土曜日に定例会を開催し、法人の方針の徹底、認識の共有化を

  図るとともに、事例を報告しあい会員間で議論を行った。

これらを通して法人としての統一的な運営と会員間の認識の共有化を図った。

 

3.会員の資質向上対策

(1)毎月1回業務研究会を開催し、広いテーマで研鑽した。

. テーマ:成年後見実務、障害者支援、その他成年後見業務に付随すること

. 講師を会員のみならず、外部にも依頼した。

    . 研究会を公開とし、会員外の方の参加を得た。

(2)毎月の「定例会」活動報告時の実例に基づき会員間で研鑽に努めた。

(3)研究会の内容            講師        テーマ

                              第41回 H23.1.8     せらび千葉稲毛

  大山講師      小規模多機能型居宅介護とは

    第42回 H23.2.12    石山会員      未成年後見人に就任して 

  第43回 H23.3.12        土井理事長      成年後見制度を10年を語る                       

  第44回 H23.4.9    日比野副理事長     生活保護〜質問に答えて〜

  第45回 H23.5.14       司会内田会員     成年後見何でも話そう

  第46回 H23.6.11        メモリアルアート

      大野屋             最近のお葬式事情

  第47回 H23.7.9    (株)マザアス

  篠塚講師       高齢者の住まい(高専賃ほか)                

  第48回 H23.8.6           石山会員      知的障がい者の成年後見人

  第49回 H23.9.10         加藤木会員      法人後見会員3年目を振返る

                内田会員       失踪宣告事例

  第50回 H23.10.8  メモリアルアート

    大野屋        葬儀に関する手続き

  第51回 H23.11.12      委任者           なのはなと契約してみて

  第52回 H23.12.10    千葉県地域定着センター 

                       清水講師        受刑者の更生と成年後見                  

                        

4.広報対策

(1)ホームページを改良し、掲載内容の充実をはかった。

 

5.リスクへの対応

(1)損保ジャパンの損害賠償保険に加入し、業務上の不測の事態に備えた。

(2)弁護士事務所と顧問契約を締結し、万一のトラブルに備えた。

 

V. 会員動向

                            (単位:名)

期首会員数

新規加入者

退会者

年度末会員数

  20

  26

                      (内後見業務担当会員18名)